キッチンに使用される天板(ワークトップ)には様々な素材があります。
キッチンの顔とも呼べる部分のため、どの素材にすればよいか悩む方も多いのではないでしょうか?
本記事は天板に使用される素材について、「耐久性」「耐熱性」「価格」の比較を紹介します。
悩める施主のキッチン選びの参考になれば幸いです。
まずはGemini先生に聞いてみる

キッチンの天板(ワークトップ)に使用される素材について具体例を挙げて説明してください。また、それを表にしてください。

素材 | 特徴 | メリット | デメリット | 価格帯 |
---|---|---|---|---|
ステンレス | 耐久性、耐熱性、耐水性に優れる。サビにくく、汚れが落ちやすい。 | 丈夫で衛生的。価格が比較的リーズナブル。 | 傷がつきやすい。金属音が気になる場合がある。 | 比較的リーズナブル |
人工大理石 | アクリル系やポリエステル系の樹脂を主成分とする。デザインが豊富で、高級感がある。 | デザインやカラーバリエーションが豊富。加工がしやすい。 | 耐熱性はステンレスやセラミックに劣る。傷や汚れがつきやすい場合がある。 | 中~高価格帯 |
セラミック | 非常に硬く、耐久性、耐熱性、耐傷性に優れる。汚れがつきにくく、お手入れが簡単。 | 熱や傷、汚れに強く、長く美しさを保てる。デザインも豊富。 | 価格帯が高い。硬いため、衝撃に弱い場合がある。 | 高価格帯 |
クォーツストーン | 天然水晶を主成分とし、樹脂で固めたもの。天然石のような質感と高級感がある。 | 天然石の美しさと人工素材の機能性を兼ね備える。メンテナンスが比較的容易。 | 価格帯が高い。天然石に比べるとデザインのバリエーションは限られる。 | 高価格帯 |
メラミン | メラミン樹脂で表面加工を施した素材。耐水性、耐熱性、耐摩耗性に優れる。 | 比較的安価で、デザインの選択肢が多い。お手入れが簡単。 | 強い衝撃には弱い場合がある。長期間の使用で表面が劣化することがある。 | リーズナブル |
天然石 | 御影石や大理石など、天然の石材を使用。重厚感と高級感があり、独特の美しい模様がある。 | 唯一無二の美しい質感がある。使い込むほどに味わいが出る。 | 価格帯が非常に高い。シミや汚れがつきやすい場合がある。定期的なメンテナンスが必要。 | 非常に高価格帯 |
タイル | 陶器や磁器などのタイルを貼り合わせて作る。デザインやカラーのバリエーションが豊富。 | 個性的なデザインを実現できる。部分的な補修が可能。 | 目地に汚れがつきやすい。施工に手間がかかる。 | 中価格帯 |
木材 | 無垢材や集成材などを使用。木の温かみと自然な風合いがある。 | ナチュラルで温かみのある空間を演出できる。経年変化を楽しめる。 | 耐水性や耐熱性は他の素材に劣る。定期的なメンテナンスが必要。 | 中~高価格帯 |
Gemini先生からは8種類の素材が提案されました。天板の種類だけでも多いことに驚きです。
これだけだとどの素材がどの程度良いのか分からないため、特徴の詳細を検討します。
8種類と数が多いので素材の特徴をざっくりと吟味すると、
天然石:価格調べなくても高そう…
タイル:今どきタイルの天板なんてあるの?デザイン微妙すぎない?(失礼)
木材 :水回り、火の回りなのに木は論外。早々に取り換えが目に見える。
ということでこれら3種類は検討から除外しました。
残りの5種類の素材:ステンレス・人工大理石・クォーツストーン、セラミック、メラミン
比較項目:「耐久性」「耐熱性」「価格」
この組み合わせで詳細を検討していこうと思います。
素材5種類の比較
素材について
詳細比較の前に、そもそも各素材はどんなものか、について知っておこうと思います。
- ステンレス
鍋や食器などに使用されている。鉄を主成分とし、クロムやニッケルなどの元素を添加した合金鋼。最大の特徴として、錆びにくさ(耐食性)に優れている。 - 人工大理石
「大理石」という名称だが、アクリル樹脂やポリエステル樹脂を主成分とした人工素材のことを「人工大理石」といい、天然石の成分は一切含まれていない。よく似た言葉に「人造大理石」があるが似て非なるもので、人造大理石は後述のクォーツストーン。アクリル系かポリエステル系でメリット・デメリットが異なる。

【アクリル樹脂とポリエステル樹脂の違い】
アクリル樹脂
・汚れが染み込みにくく、黄ばみや黒ずみが少ない
・表面が滑らかでお手入れもラク
・耐候性や耐衝撃性に優れる
・水回りのキッチンや風呂に使用される
ポリエステル樹脂
・アクリル樹脂には劣り、紫外線に弱く、黄ばみや反りを生じる可能性
・室外使用には向いていない
・熱にも弱いためキッチンのカウンターなどには不向き
・価格帯は安価
- セラミック
石英、長石、粘土などの素材を混合し、高温で焼き固めることで、緻密で硬いセラミックスが生成される。 - クォーツストーン
人造大理石とも呼ばれ、90%以上の天然石英(クォーツ)を砕石し、色付けをした後、ポリマー樹脂で生成される。 - メラミン
メラミンとホルムアルデヒドを主成分とする熱硬化性樹脂。
「ステンレス」「セラミック」は素材そのもの、
「人工大理石」「クォーツストーン」「メラミン」は樹脂を使用して固めた素材ということですね。
耐久性

「耐久性」で求められる具体的な項目として「傷の付きにくさ」「凹みにくさ」「割れにくさ」といったところでしょうか。ただ「凹みにくさ」については、素材によって凹むものと凹まないものがあるので、比較は困難です。「割れにくさ」についても、天板によほど大きな衝撃がない限りは発生しないと思われるので、今回は「傷の付きにくさ」に着目します。
「傷の付きにくさ」の指標としては、モース硬度が適切でしょう。
モース硬度とは、ひっかいた時の硬さであり、10段階で分けられ、数字が大きいほど硬いことを意味します。おおまかですが各素材のモース硬度を比較しました。
素材 | モース硬度 |
---|---|
ステンレス | 5 |
人工大理石 | 5 |
セラミック | 9 |
クォーツストーン | 7 |
メラミン | 4 |
キッチン周りで使用される食器類や鍋類、包丁などは主に素材はステンレスなので、クォーツストーンやセラミックの素材にしておけば、ほとんど傷はつかないと言えるでしょう。
耐熱性

「耐熱性」でイメージされるのは、調理中のフライパンなどを天板の上に乗せたときにどうなるか?だと思います。製品によってかなり幅があるので比較は参考値での紹介ですが、おおまかには傾向が分かるかと思います。
素材 | 耐熱温度 |
---|---|
ステンレス | ~200℃ |
人工大理石 | 200~350℃ |
セラミック | 400~450℃ |
クォーツストーン | 200~350℃ |
メラミン | 120~220℃ |
フライパンの温度は、調理の目的やフライパンの素材、厚さなどによって異なりますが、一般的には160~180℃のようです。
いずれの素材も耐えうる温度と思いますが、使用上の注意点を見ると、ステンレスでも熱したフライパンNGと記載があるので、セラミック以外はNGと考えた方が無難そうです。
価格

天板に使用される素材の価格は、素材の種類、厚み、サイズ、仕上げ、ブランドなどによって大きく異なりますが、一般的な価格帯をまとめました。
素材 | 価格 | 参考値 |
---|---|---|
ステンレス | 10万円~15万円/m | 30万円 |
人工大理石 | 10万円~20万円/m | 40万円 |
セラミック | 20万円~40万円/m | 80万円 |
クォーツストーン | 15万円~30万円/m | 60万円 |
メラミン | 2万円~5万円/m | 10万円 |
耐久性、耐熱性にもっとも優れるのはセラミックですが、人工大理石と比較すると参考値で価格差40万円とかなり高額になります。
その他(人工大理石vsステンレス)
耐久性、耐熱性、価格をおおまかに比較してみましたが、性能が良いものにはそれだけお金がかかるということですね。価格と性能のバランスをとると、ステンレスや人工大理石の選択が多くなるのではないかと思います。
そのため、「ステンレス」と「人工大理石」結局どっちがいいのか?が悩みどころ。耐久性、耐熱性以外のポイントについてまとめてみましたので、参考にしてください。
項目 | 人工大理石 | ステンレス |
---|---|---|
デザイン | 多い | 少ない |
研磨修復 | できるものが多い | できない |
シミ・変色 | 長期放置で可能性あり | なし |
水あか | 目立ちにくい | 目立つ |
凹み | なし | あり |
割れ・欠け | 可能性あり | なし |
どちらもメリット・デメリットありますが、それぞれこんな人向けになります。
人工大理石・・・デザイン性を重視、こまめに掃除して変色を防げる、研磨修復が苦ではない
ステンレス・・・金属のデザインがよく、凹みは気にならない
キッチン天板の素材選定いかがだったでしょうか。
本記事が悩める施主の方々の参考になれば幸いです。
それではまた別記事で。
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